ベビーバスアップデート

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Oct 01, 2021

包み込む器 Female-Embracing Organ-Bed/Bath for Baby〜赤ちゃんの湯船またはベッド〜

2009年に作ったものは、強度を保つため型を内側に残したままでした。

再び作る機会に恵まれたので、バージョンアップさせることにしました。
乾漆そのものの強度を信頼し「漆の膜の積層で空気を包み込んだベビーバス/ベッド」というコンセプトのほうがシンプルで美しいという結論に至ったからです。
漆、麻布、土の粉だけでできているのでもちろん土に還ります。その方が赤ちゃんにはふさわしい。

構造家に解析とアドバイスをもらい、重力と水圧がかかる部分は布の厚みを増やし強化しています。図の赤い部分、サイドの真ん中に最も重力がかかるとは意外でした。お饅頭を上から押さえるとサイド真ん中が膨らむのと同じ原理なのだそうです…

解析の結果、公の場でも安心して使っていただけるとの結論が出たので、京都市の産業技術研究所で型作り。現物ベビーバスを3Dスキャンした上でその断面をCADで出力し、50mmのスタイロフォームをその形に合わせて切り抜き貼り合わせる。切断面が思いもしない形ばかりで面白い!