[IW-campus: アート×哲学対話セミナーvol.1] コロナ時代の「ニューノーマルとは?」を終えて

life
Jan 25, 2020

漆業界でも、耳障りのいい、サスティナビリティとか優しさ暖かさばかりがマーケティングのためにアピールされることには少し苛立ちを覚えます。
もちろん地球環境、温暖化問題を解決するために必要であることには異論はありません。

でも漆樹の血であり体液である漆をとるために樹に傷をつけ、終いには掻き殺すという行為は実は禍々しいもの。
薄っぺらな一面的な見方は嫌なのです。人間が生きるために他の生物にいかに依存してるのか、他の生物を犠牲にした上に生きているのか。そして共存させてもらってるか。自分の中の細菌たち含めて。
綿花だって野菜だって動物を食べていることだって何だってそう。その他者の痛みの円環の上に自身の生活が成り立っていることを自覚して引き受けることの大切さを思う。

土でできている陶磁器の茶碗つまり生物の死骸で私たちは茶を喫し、樹の血で塗られたお椀で味噌汁を啜ってる。
でもそう思うと、私たちは独りじゃない。