茶会~closing

exhibition
May 01, 2019

この一か月というもの、消化するのが大変なほど毎日たくさんの個性豊かな素晴らしい方々に個展にご来場いただき、新たな出会いにも恵まれたありがたーい日々でした。

そして平成とともに終わる予定だったのですが、好評につき令和になっても会期延長していただいております。15日までです。
※一部展示は終了とさせていただきます。

写真は〈茶会ヤミヨノウルシ〉の記録です。
先生方、大切な友人たち、ヴィラ九条山に滞在中のフランス人アーティスト御一行様まで来てくださったりと定員の何倍ものご希望をいただきました。席数も増やしはしたのですが、お待たせしてしまったり数々の至らぬ点がありましたこと、何卒ご容赦いただけますと幸いです。
茶筅を振り続けてくださった茶人の大久保さん、この茶会のためにわざわざ『陰翳礼讃』を読み込み、羊羹を作ってくださった鍵甚の雄ちゃん、本当にありがとうございました。
暗がりの中で重箱の内側の漆黒に、そしてまた漆黒のお皿の上へと黒糖羊羹が融けこんでしまう様は、不思議の国のようでした。暗がりで食べる羊羹は、口へ運んだ瞬間黒糖がぱっと匂いたち、そして感覚の主役となった味覚が羊羹に襲いかかる、ぐらいのインパクトある美味しさでした。
「〜だがその羊羹の色あいも、あれを塗り物の菓子器に入れて、肌の色が辛うじて見分けられる暗がりへ沈めると、ひとしお瞑想的になる。人はあの冷たく滑らかなものを口中にふくむ時、あたかも室内の暗黒が一箇の甘い塊になって舌の先で融けるのを感じ、ほんとうはそう旨くない羊羹でも、味に異様な深みが添わるように思う。」この谷崎の言葉は本当でした。もちろん雄ちゃんの羊羹は元々旨いに間違いはありません。でも、これにてわたしの二十年も抱いてきた疑問が解決いたしました。感謝です。まだまだ『陰翳礼讃』の世界は遠い遠いところだった、と数々の反省もありますが、大変勉強になりました。
ともあれ、ご来場くださった皆様、本当にありがとうございました。

由紀さん

day
Apr 14, 2019

中学高校大学の先輩でありお友達でもある何必館・京都現代美術館キュレーターのキュートなキュートな(キュが多い…)梶川由紀さんが個展に来てくださり、婦人画報ウェブサイト内の「きょうとじんのひとりごと」という由紀さんのページに心のこもった記事を書いてくださいました。由紀さんの手でもって表現されるとこんなにも素敵になるものかと感服いたしました。

由紀さんの「ひとりごと」には、由紀さん目線でとらえられた美しくさりげない世界が綴られています。由紀さんらしい静謐さが漂っていて本当に素敵なのです。

Opening~dinner

exhibition
Apr 13, 2019

搬入〜オープニングまで。
オープニングビュッフェは、写真を撮ることも忘れるバタバタさ。気がつくと人でいっぱいに。ご来場いただいた方々本当にありがとうございました。
『figure』の撮影をしてくださったその浅野豪さん、素晴らしい音楽を作ってくださった青木孝允さんも来てくださいました。
そして木地師の西村直木さんと漆屋さんの堤卓也くん!創作を支えていただいている方々にもお祝いしていただけて本当に嬉しかったです。

20日は闇夜のお茶会です。すでに定員超過の予約をいただいておりますが、お茶菓子を作っていただく鍵甚の店主自ら待ち合いのカウンターに入って香煎を提供してくださりこの日の闇夜のお菓子についてお客様とお話しするという趣向もあるそうです。

オノマトペ×漆

漆まわり
Apr 13, 2019

無事個展がオープンできたので次へ進む。楽しみにしていた電気通信大学の坂本真樹教授との打ち合わせです。初めて行った電気通信大学は理系バリバリの雰囲気でキャンパス内は男性率90パーセントでしたが、坂本先生の周囲だけは一点パーっと華やかで明るい空間なのでした。

坂本先生の華麗な経歴とメディアでのご活躍ぶりに最初はちょっと臆していたのですが、オノマトペによる質感研究を理系からのアプローチで進められているとのことで、お話を伺うとどれもこれも本当に興味深かったです。それにしても心理学、AI、感性工学、認知科学など多領域を行き来されつつ進んでいかれる力強い知性に感服でした。
オノマトペ×漆で何を生み出せるでしょうか。すごくわくわくします!

坂本先生のwebsite

Il cipresso × Kasane

exhibition
Mar 27, 2019

こちらもあります!
『襲かさね』×イタリアン
どんな景色を見せてくれるのか楽しみです。
こちらも席数が限られているのでご予約はお早目に…

※撮影が入る場合があります。

茶会〜ヤミヨノウルシ〜

exhibition
Mar 27, 2019

イベントもやります。
闇のなか、流れ落ちる漆の映像をお軸に見立て、写真の作品『襲かさね』の入った仕覆を解くところから始めるという、なかなか攻めたお茶会です。

『陰翳礼賛』の中で谷崎潤一郎が「暗闇で羊羹を食べるとより一層甘い」というようなことを書いていて、20年来それは本当なのかな~と疑問に思っておりました。その疑問を解きたい!という思いと、同じく「暗闇の中蝋燭の明かりで見たほうが漆は美しい」との谷崎の論説には異論がなく、この度夜咄茶会をヒントにしてこのような実験的企画をたてました。(※蝋燭は防火管理の面から今回は使用いたしません)
暗闇で漆を見るのは私も未体験の領域です。どれぐらい暗いのか、お隣さんの顔すら見えないぐらい暗いのか?そしたら何も見えないじゃないか。でも鍵甚さんの特注主菓子が美味しいのは間違いなく、またアートデイレクターであり茶人であるO氏の点てるお抹茶が美味しいのは暗闇でもきっと間違いありません。こんな実験的な、でも世界初?の試みを一緒に体験してくださる方、ご予約お待ちしております。
私も着物でお手伝いいたします~。

※撮影が入る場合があります。

solo-show

exhibition
Mar 27, 2019

→終了いたしました

ささやかな個展をいたします。
場所は祇園のど真ん中、花見小路。
会員制イタリアン、イルチプレッソの2階。
時期は都をどりで街が浮き立つころ。

気候のよい時です。観光またはお散歩ついでにお茶するような気軽な感じでお越しいただけると嬉しいです。
その日の朝に作って運んでこられる鍵甚良房の主菓子と、目前にて点てられた薄茶もお召し上がりいただけます。

お手数なのですが予約制のためご一報ください。
メッセンジャーからでもこちらでも↓
Shop Mail : ilhanaregion@gmail.com
Artist Mail : info@urushi-media.com

<Yohko Toda URUSHI solo Exhibition> 

●会期 4月11日(木)- 30日(火)

「Urushi awakens your senses 漆はあなたの感覚器官を歓ばせる」

漆の質感を追って制作している戸田蓉子の作品を日常に使える食器から大型のオブジェまで展示。また今回初の試みとして、一般の人の目に触れることのない未だ液状の漆の姿を収めた映像作品も発表する。音楽はエレクトロミュージックの分野で世界的に活躍する青木孝允が担当、コラボレーションとなっている。

●関連イベント情報 

4月9日(火)
プレオープン・ディナービュッフェ
<戸田蓉子の作品で愉しむ極上イタリアン>
12の漆色プレート『襲かさね』にイタリアンの料理が盛られます。
・受付17時 ~ 十二名様先着
参加費3,000円

4月20日(土)
茶会
<陰翳礼賛-ヤミヨノウルシ->
暗がりに浮かびあがる漆の美しさを感じていただく夜咄茶会です。
・20時~、21時~ 各席五名様先着
参加費¥2,000円

※双方、予約制となります。席数限定ですので下記の連絡先までお問い合わせください。

Shop Mail : ilhanaregion@gmail.com
Artist Mail : info@urushi-media.com

・会場名  イルチプレッソはなれ
・所在地 京都市東山区祇園町南側566番地2階

news oped

publicity
Mar 27, 2019

先週の水曜日のニューズオプエド、こちらの番組はリアルタイムでTwitterに質問意見がどんどん入ってくるというシステムです。報道番組なので、政治経済に関心のある視聴者が多く、漆になどみなさんあまり興味がないだろうなと思っておりました。ところが嬉しいことに、漆にまつわること、美術に関すること、たくさん質問やご意見をいただきました。なかには私も知らなかった漆にまつわる歴史的エピソードやハイレベルな化学的質問まで。帰ってメモしました。
拙い喋りながらも、何かしら伝わったことがとても嬉しかった。そして、日本人の生活から漆はほぼ消えてしまったと思っていたけれど、意外とみんな人生のどこかしら探してみれば漆と接している瞬間があるのかもしれないなと考え直しました。本当によかった。活動休止期間をのぞいて12,3年漆とともに過ごしてきました。これだけの時間かかって、やっと私の中で漆という存在が醸成してきてくれたんだと思います。これからもますます熟成を進ませよう。もっと伝えたい、という気持ちが強くなりました。
 そして漆黒空間プロジェクトに関してもちゃんと喋ってきました。優しい藤本さんも古賀先生も漆黒の箱を覗いてくださいました。
そしてそして、背景に貼ってもらったポスターならびにフリップで入れてくださった個展の案内、次の投稿にて諸々お知らせいたします。

回る御社の夢

day
Mar 22, 2019

久しぶりに師匠に会いに。
85歳の先生はますます漆を追求、そしてちょっと可愛くなっていらっしゃいました。
夜遅くまでたくさん話を聞いて対話して大笑いして、背筋を伸ばしてもらう。

工房前の神社を見て、10年前に見た不思議な夢に出てきたのはこの神社だったと気づく。回るこの御社の夢。ぐるんぐるんすごい速さで御社が回転してた。ひえ〜と思いながら見てたら、最後に御社がズボッと抜けて吹っ飛んだ。
そしたら御社の下の部分(基礎みたいに地中に埋まってるところ)は美しい巨大な白色の木の根っこだった。という夢でした。
拝んでおきました。

長靴下ピッピ展

day
Feb 20, 2019

こども達の大好きな『長靴下ピッピ展』に行きました。
心に残ったのはイングリッドヴァンニイマン(Ingrid Vang Nyman1916~1959)のイラストレーション。ニイマンにしか書けない完成度の高い線を凝視しながら「イラストというのは自身の線を獲得できるかどうか」だなと思う。腕から指先の関節の一つ一つまでが脳からの神経伝達で完全にコントロールされる。鍛錬されたピアニストのように。
藝大の油画科卒のペインターの友人が以前「(版画ではあるけれど)浮世絵の線って単純そうだけど真似してみるともんのすごく難しいんだよねー」と言ってたのを思い出した。そういえばニイマンも浮世絵を模写していたのだったな。