Collect

day
Feb 26, 2020

Collect 2020, the 1st day was VIP and collecters’ preview.

玄襲

work
Feb 19, 2020

久しぶりに大道さんの撮影。
ずっと作りたかった『襲(かさね)』の黒バージョン『玄襲(くろかさね)』がほぼできあがったので、襲と同じアングルで撮ってもらいました。
大道さんもアシスタントの新村さんもお元気そうでよかった、楽しい撮影。気がつけば5時間があっという間に過ぎていました。1作品にこんなに真剣に取り組んでくださる大道さん、頭が下がります。

『襲』が『玄襲』という言葉になった途端、襲われる感がなんだか増えたように思うのはわたしだけでしょうか。玄が襲いかかってくる〜。
漢字の「黒」も「玄」もどちらも黒色を表しています。ところがこの2つには違いがあります。「黒」は下のレンガ(火の偏である4つの点)が火を表し、その炎から立ち上った煤で煙出しが黒くなっている様子が漢字の成り立ちだそうです。
対する「玄」の「幺」の部分はねじった糸束を表し、その上に横棒を渡して、つるしているようなイメージで「白い糸を黒に染色している様子」を表しているそうです。そして、垂らされた黒い糸の隙間から向こう側の世界を見る。そこには見る人によって抽象にされた世界が広がっているのかもしれません。中国の水墨画の世界は、この玄の世界なのだと思います。そんなわけで「黒」は物理現象による黒色、「玄」は精神世界をも含んだ黒です。
なので漆の黒も「黒」ではなく「玄」でいきたい。
『玄襲』は漆の黒色の世界の豊かさと奥深さを表しています。

Savoir-Faire des Takumiプロジェクトのために作った『Entropy』も漆黒の凹凸レンズのような物体なのですが、同じ漆の黒でも凹面と凸面では異なった黒に見えます。というのも裏テーマでした。

Exhibition in Paris

exhibition
Feb 17, 2020

パリでの展示が無事終了いたしました。
たくさんの方々に作品を見ていただくことができ嬉しく思います。ご来場くださった方々、TCIラボのみなさまありがとうございました‼︎
次はロンドンに行きます。
Je vous remercie profondement, d’abord Françoise!,L’equipe des Ateliers de Paris et bien sur les artistes francaises de Takumi!

idea
Feb 16, 2020

床に転がっていた森美術館の「シンプルなかたち展」の図録の表紙にふと目が留まった。
ハンス・アルプ(Hans Arp,1886-1966)の『鳥』という石の彫刻。黒くて、パッと見、漆のようにも見える。あ、でも、と思う。この物体はどれほど奥へいこうが石の(鉱物の)組成だ。あちら側に突き抜けるまでいったって、そこまではずっと石の組成なんだ。漆だったら表面でしかない。内側は木だったり、布だったり、違うもの。表面の膜でしかない漆。石の揺るぎない物質感に比べれば所詮表面でしかないのか、と少しがっかりもする。
でも、その膜によって内部まで変容したかのような錯覚をも起こさせる漆。そこに目を向けると、脆弱なようでいて、面白い性質が見えてくるんじゃないだろうか。