figureを軸装

day
May 17, 2019

典雅堂の表具師水島さんと打ち合わせ。
漆の映像作品『figure』を映すための白紙の掛け軸を作ってもらうのです。わたしも漆を塗った布など持参。

表装の世界は全く未知でしたが、いや未知のままですが、きれいな紙やら、美しい布やら、なんだかとても柔らかい世界でした。そういえば水島さんも柔和な方です。
でも、マテリアルに変化をもたせるため銀箔をご自身で硫化してたくさんの色味を作られたりと、色々と熱心に研究されています。お軸にはいくつも要素があって、一文字とか、軸先とか、地とか、コーディネートのようにあれこれ考えるのは愉しい~。

わたしは、絵といえば額に入れて壁に飾るもの、という感覚で育っている現代日本庶民です。そんなわたしにとって、掛け軸という完成されたフォーマットができあがるまでの歴史の中の変遷や精神活動はどんなだったのだろう、と思うとすごくわくわくして、もはやエキゾチシズムぐらいの距離感で興味をひかれます。

絵をくるくる巻いて持ち運べるなんて!とか、ほどけば完全に平面布地へと戻る着物の発想と同じ思考回路で作られてる!当たり前か、とか、風帯を生み出した美意識はなんぞやとか、色んな思いがぐるぐる嵐のように巻き起こってぽーっとなりました。
ちょっと調べたら最初の起源はやはり中国で、仏画などを掛けて拝むためのものだったそうです。コーカサスやアフガニスタンの山岳民族が掛ける、拝む対象としての織物を思い出しました。

そして完成した見事なこの掛け軸というシステムに、ははーっと改めて感動しました。
自身のDNAの中に眠っている記憶が、やっぱこれだろっと呼応していました。

漆のお軸、いや、お軸のスクリーン?どんななるかなー。

あ、そういえば、の話です。
柴田是真という江戸後期〜明治期に活躍した漆界の巨人がいます。
水島さんによると、是真の漆絵の軸は、巻いても漆部分がバキバキには割れないらしく、そこで真贋を見極めたりするそうです。(漆は乾くと柔軟性はほとんどなく、曲げれば普通割れてしまいます。特に日本産。東南アジア方面の漆はゴム質が多く、多少柔軟性があるようです)
軸装する必要があった時代の漆絵には、巻くことで湾曲させられても大丈夫なように、何かしらの技術があったのかもしれません。それが是真独自のものか、それとも漆業界に確立されていたものかはわからないけれど…。漆関係の書籍あたってもそんなことは載っていないし、是真関係の研究を探せばいいのかな。何かご存知の方があれば教えてください。あ、別にわたしは漆絵をするわけではないのですが。

BnA Alter Museum

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May 12, 2019

漆の映像作品「figure 」に音楽をつけてくださった青木孝允さんの作品を見にBnA Alter Museumへ。すごいたくさんの人が河原町通りまで溢れてた…。 青木さんの作品 TRAVELING ROOM。こんな音の粒粒を浴びられる空間独り占めにできるなんて、京都だけど泊まりたい。翌朝起きたら頭ん中から身体中の中身という中身が新しく総取っ替えされていそうです。
漆の映像のために音楽を作っていただいた時も、音楽を作ってもらう、ってなんて贅沢なことなんだろうと感激したばかりでした。青木さんの言うように音楽って波長というか物理的な波のようなもので、液状の漆に合う、その漆を落としているわたしの身体に合う、そんな一つの新しい波長を作っていただいたようで、感動したのでした。

大江能楽堂

day
May 07, 2019

能楽師の大江広祐さんの舞台を観に。
大江能楽堂の舞台は大変珍しい総漆塗りの床だそうで、とても見たかったのです。舞い手の跡が生々しく目に見えて残る舞台は迫力!
桟敷席もあって、天井も素敵。衣装もたまらん…そして高揚させられるお囃子と謡、長時間続く熱のこもった舞でした。

由紀さん

day
Apr 14, 2019

中学高校大学の先輩でありお友達でもある何必館・京都現代美術館キュレーターのキュートなキュートな(キュが多い…)梶川由紀さんが個展に来てくださり、婦人画報ウェブサイト内の「きょうとじんのひとりごと」という由紀さんのページに心のこもった記事を書いてくださいました。由紀さんの手でもって表現されるとこんなにも素敵になるものかと感服いたしました。

由紀さんの「ひとりごと」には、由紀さん目線でとらえられた美しくさりげない世界が綴られています。由紀さんらしい静謐さが漂っていて本当に素敵なのです。

回る御社の夢

day
Mar 22, 2019

久しぶりに師匠に会いに。
85歳の先生はますます漆を追求、そしてちょっと可愛くなっていらっしゃいました。
夜遅くまでたくさん話を聞いて対話して大笑いして、背筋を伸ばしてもらう。

工房前の神社を見て、10年前に見た不思議な夢に出てきたのはこの神社だったと気づく。回るこの御社の夢。ぐるんぐるんすごい速さで御社が回転してた。ひえ〜と思いながら見てたら、最後に御社がズボッと抜けて吹っ飛んだ。
そしたら御社の下の部分(基礎みたいに地中に埋まってるところ)は美しい巨大な白色の木の根っこだった。という夢でした。
拝んでおきました。

長靴下ピッピ展

day
Feb 20, 2019

こども達の大好きな『長靴下ピッピ展』に行きました。
心に残ったのはイングリッドヴァンニイマン(Ingrid Vang Nyman1916~1959)のイラストレーション。ニイマンにしか書けない完成度の高い線を凝視しながら「イラストというのは自身の線を獲得できるかどうか」だなと思う。腕から指先の関節の一つ一つまでが脳からの神経伝達で完全にコントロールされる。鍛錬されたピアニストのように。
藝大の油画科卒のペインターの友人が以前「(版画ではあるけれど)浮世絵の線って単純そうだけど真似してみるともんのすごく難しいんだよねー」と言ってたのを思い出した。そういえばニイマンも浮世絵を模写していたのだったな。